山本さん
ども。うつ餅です。
先程から読書をしてまして。
- 作者: 川瀬七緒
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 文庫
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まだ読み切ってないんですけど、呪術が絡んだサスペンス。とても引き込まれております。
これを読みながら、ふと思い出したこと。
あれは札幌時代、私が介護の資格を取るために、特別養護老人施設へ研修に行った時のこと。
研修で来ている私らなんて、なーんの役にも立たないので、休憩室にいるお年寄りの話し相手をしておりました。
その日担当したのが
山本さん
というおばあちゃん。聞けば重度の認知症なのだとか。
その方とお手拭きの準備をしていたのですが、突然
あんたの手、見せてくれないか?
と。
いいですよー、と両手を差し出したら、
あんたあんなことあったなー
こんなこともあったなー
しんどかっただろうねー
と言い出しました。
その内容が全部当たっていたので、びっくりするやら、感動するやらで泣きそうになってしまいました。
『山本さん、なんでそんなにわかるんですか?』
と聞いたら、
『私はねー。ちぃさい頃から先のことがわかる子でねー。近所のおばあさんが3日後に死んじゃうことや、あそこのお家が火事になるってことがわかっちゃう子だったんだよー。
でな、ある日枕元に仏様がおいでになって
お前は特別な力がある。でもそれをお金儲けに使ってはいけない。あんたは人を助けることにその力を使いなさい
って言われたのさー。
それから、噂を聞きつけて、あっちからこっちから色んな人が私んとこ来てねー。たくさんの人を助けてきたんだよー』
と。
『あんたもねー。その力を持ってるよー。だからそれを使わなくちゃダメだよ。もったいないよ。困っている人を助けてあげなさいー。
もし何かに困ったことがあったら、寝る前に一生懸命仏様にお尋ねしたら、夢で答えを教えてくれるよー。』
そう言われました。
重度の認知症なのに、言葉はしっかりしているし、私を見つめる目はとてもはっきりしていたことを今でも覚えています。
翌日
山本さんに昨日のお礼を言おうと思ったら、山本さんは私のことも全く覚えておらず、昨日のこともなかったかのように、認知症特有の所作、言動になっていました。
あれは一体何だったんだろう?
研修が終わってもずっとそのことが気になっていたんです。
それから何ヶ月か過ぎた頃、寝ていたら突然山本さんの顔が、暗闇にポンってでてきました。
そして
『おばあちゃんが行ったことを覚えているかい?
どうしても悩んだ時は、仏様に夢で答えを教えてくださいってお願いするんだよ。そしたら夢で答えを教えてくれるから。
もしダメなら、おばあちゃんのことを思い出しながらお祈りしてごらん』
そう言って、すぅーっと消えて行きました。
本当かどうかはわかりません。
でもその時、
『あぁ、山本さんは仏様になったんだな』
と思いました。
それから、私は何か悩みがあると、山本さんに言われたように、悩みがあると、仏様と山本さんにお祈りをするようになりました。
その答えの夢が見られているかどうかは、はっきりとは分かりません。
でも、次の日にはすっきりとしてるなー、とは思います。
そんな話もあるもんです。